【理解】わかるとは何か


「理解する」ことと「わかる」ということの違いを、長尾真の著書*1を参考に「図解」としてまとめてみました。「理解する」ことも重要ですが、論理的な理解は、記憶容量の増大につながってしまいます。

本書には、「『わかる』とは、これまで散在していた知識が、あるきっかけでひとつにつながる。」というように記載されています。自分の知識と照らし合わせた本質的な意味の深い理解は、記憶容量の軽減を図るだけでなく、より分かりやすい説明を生み出すものです。

「わかった」につなげるためには、常日頃より、「何がわからないのか」ということを捉えておくことが必要です。そのような問題意識がなければ、何を聞いても「わかった」状態にはなりません。なにごとにも「好奇心」「興味」を持つというのは大事ですね。


人それぞれに持つ知識とそのレベルは異なるため、特定の知識を基盤とした説明は、特定の人にだけにしか理解されません。一方的な知識、論理の上にたった説明しかできない人は、「理解」はしていても、結局は「分かっていない」ということです。

「未知の領域をわかるためには、これを自分なりに理解した後に、他人に説明できること」。

それが「分かった」の極意であると思っています。
 


「子ども電話相談室」という、1964年から2008年まで、44年間続いた長寿ラジオ番組がありました。その番組の中で、「電話のお姉さん」が、先生の答えの後にいうお決まりの言葉があります。

 

それは「○○ちゃん、わかったかナー?」です。

子どもは「ウン、わかったヨ。」と答えます。

さらにお姉さんは、ツッコミます。
「ちゃんと、お母さんに話せるかナ?」

当時、この会話を、ほほえましく聞いていたものです。

 

しかし、なぜお姉さんは、2回も聞くのでしょうか。ものごとをキチンと理解するとは、どういうことなのか、そのようなことを含む会話のように思いました。

最初の「わかったかナ?」は、大人言葉で「理解しましたか?」後の「お母さんに話せるかナ?」が、このテーマである「分かった」ということなんです。

 

初対面の人と話をする際、一番困るのは、相手が、どの程度の知識を持っているか分からない、ということ。まず、手短かな話題を話し、質問をしながら、その反応を見て、お互いの共通した知識モデルを設定していくのでしょう。その意味で、本題に入る前の対話はとても重要です。

本題に入った際、「分かる」ということと、「理解する」ということの違いを捉えておくことにより、相手の理解の度合いがわかってくるはずです。「わからないこと」を自分なりに理解した後に、他人に説明できるかどうかが、おおきなポイント。そのためには、本質的な意味を理解しておくことが大切でしょう。

 


それでは、ビジネスの場面におきかえてみましょう。

部長:「山田君、今のわたしの話を、わかってくれたのかナ?」

山田:「もちろん! 部長の説明は天下一品! よーく、わかりました。」

部長:「ほー、それはよかった。それじゃぁ、明日、お客さんへキチンと説明しておいてナ。」

山田:「えー、それは、そのぉ。。。。 お客さんに説明するのは。。。。」

部長:「なんだ! ぜんぜん、わかっていないじゃないか!」

・・・・・沈黙・・・・・

山田:「いやぁー、部長の話がうますぎて、同じようにはできない、ってことですヨ。」


他人に説明する際、その人の話を、一字一句真似る必要はありませんね。本質を理解して、自分の言葉でしゃべればいいンです。
それにしても、山田さんは、世渡り上手だ。